おはようございます。
まいど(創者一客)ソウジャイッカックです。
本の紹介です。
『世界の果てのこどもたち』
内容紹介です。(以下)____________
戦時中、高知県から親に連れられて満洲に
やってきた珠子。
言葉も通じない場所での新しい生活に
馴染んでいく中、
彼女は朝鮮人の美子(ミジャ)と、
恵まれた家庭で育った茉莉と出会う。
お互いが何人なのかも知らなかった幼い三人は、
あることをきっかけに友情で結ばれる。
しかし終戦が訪れ、
珠子は中国戦争孤児になってしまう。
美子は日本で差別を受け、
茉莉は横浜の空襲で家族を失い、
三人は別々の人生を歩むことになった。
あの戦争は、
誰のためのものだったのだろうか。
『きみはいい子』
『わたしをみつけて』で
多くの読者に感動を与えた著者が、
二十年以上も暖めてきた、新たな代表作。
(引用終わり)_____________
『きみはいい子』と
『わたしをみつけて』は、ともにも感動を与える
ものでした。紹介する本は・・・
ざっと、振り返ると
満州で出会った珠子と美子と茉莉。
現在の小学校にあたる国民学校の
出会った時は1年生ぐらいで・・・
大雨で濁流の中に残されたお寺で
三人が一晩を過ごし、
ひとつのおにぎりをわけあったことが、
その後の人生を支える
大切な思い出に・・・
そして、敗戦。
ここから、三人の話が
別々にオムニバスのように進んでいく・・・
【珠子】の場合
満州からの引き上げ時の酷さは、
想像を超える。
やがて、中国残留孤児となり
同じ開拓団のおじさんに
売り飛ばされてしまう珠子。
珠子を買った中国人の養父母が
珠子を大切にしてくれた。
しかし、珠子は日本語を忘れ、
家族のことも忘れて・・・
養父母は優しかった。
が、生活は豊かでなく
さらに文化大革命が起きて
辛いことが・・・。
【美子】の場合
美子(ミジャ)は朝鮮人でありながら
日本人のような名前をつけられた理由は
父が遠くに働きに行き、母は文字が読めなかった。
これを良いことに、伯父が日本軍に媚を売って
そんな名前をつけてしまったからだった。
そして、満州の日本人のもとで働いていた
ことから、日本の敗戦とともに
満州を逃げようと考えた伯父たちは
日本軍へ協力していた人たちだから、
朝鮮に帰ってもいいことはないと、
日本に逃げた。
しかし、日本では在日朝鮮人への差別がある。
そんな中でも
誇りを失わずに生きられたのは、
幼き日の茉莉の言葉、
「胸を張っているのよ」だった。
さらに、朝鮮戦争の中で帰るべき故郷も
なくなってしまった。
美子一家はボロくず屋をしていた。
やがて、朝鮮戦争特需で儲かり始めた。
そんなとき、
美子の母が、言った
・・・
「ボロくず屋はやめて、
食堂をやりましょう。
同胞を殺す弾になるボロくず(鉄)を
売って、もうけることはできません」
と。
【茉莉】の場合
一方、裕福な家の子だった茉莉。
横浜空襲で両親をなくしてしまう。
焼け出された茉莉に分け与えられた
お皿のじゃがいもを横取りしてしまう
「おやじ」。
しかし
親切な人が茉莉の手にキャラメルを
「ギュッ」と握らせてくれた、
瞬間
無言で力づくで、茉莉の指を広げて
キャラメルを奪い、
自分の子どもに与える母親。
7歳くらいの茉莉に
酷いことをする他人の母。
自分の子どもの生きるためなら、
酷いことをしてしまう。
泣くこともできず呆然としているしか
できなかった茉莉。
その後、
一時は祖母と暮らすが、
茉莉は施設に預けられ、・・・
(子ども同士の会話の場面)
同じ孤児なのに、
「うちのお父さんは戦死だから
意味のある死だった。
あなたのお父さんはそうじゃない。」とか
ここで、茉莉は気づく。
「戦死も戦災死も同じだ」
幼き日にシンガポール陥落を喜んだが
シンガポールの人たちが
どんなにたくさん死んだだろう。
近所のお兄さんの出征を祝ったけど、
お兄さんは死んでいないだろうか、
殺していないだろうか。
「金属供出」に張り切ったけど、
その金属でできた弾が
誰かを殺したのでは?
戦争は子どもたちを苦しめる。
【三人の再会】
その後、
三人は1980年代になって、
中国残留孤児の肉親探しが始まり
珠子も身元が判明。
珠子と美子と茉莉が分かち合った
おにぎりの記憶が残っていたから。
養父母の死後、珠子は家族と日本に帰国。
日本語を忘れてしまっていた珠子の苦労は
続くが、3人の友情は続く・・・
あなたも、是非、感動を!
ーーー中脇初枝(なかわきはつえ)さんの他の作品ーーーーーー
作家・中脇初枝さんが選ぶ「わが人生最高の10冊」の記事が見れます。
中脇初枝さんのほかの作品
中脇初枝さんが読んでいた…プロイスラーが書いた『小さい魔女』
中脇初枝さんが紹介しています「幡多のむかし話」
http://www.city.shimanto.lg.jp/gyosei/assistance/pdf/24-02.pdf
四万十市在住の方が書いていました・・・
http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-103.html
中脇初枝さんが読んでいた…遠野物語

では、また。